名演から学ぶ、ジャズアドリブ研究

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"Bye Bye Blackbird" by Miles Davis (1)

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今回は帝王マイルス・デイビスの名演「Bye Bye Blackbird」を解説したいと思います。

 

この曲が収められた名盤「Round About Midnight」は1956年に発表され、前年に発足したMiles Davis Quintetの名声を高めるきっかけを作った最初の作品です。

 

ちなみにこの作品は大手コロンビアに移籍後の第1作なのですが、この「Round About Midnight」の録音とほぼ同じ時期に、前に所属していたプレスティッジレコードとの契約を消化するため、立て続けに30曲以上を録音しています。

 

それが有名な「マラソンセッション」で、ここから「Relaxin'」「Workin'」「Cookin'」「Steamin'」という4枚の作品が生まれました。俗にプレスティッジ4部作と呼ばれています。

 

これらについてはいつか取り上げたいと思いますが、同時期に録音された本作「Round About Midnight」は新レーベル、それも業界最大手といってもいいくらいの存在であるコロンビアでの初吹きこみとあって、本人も気合が入っていたのでしょう、プレスティッジ4部作のどこか「後片付け」感の漂う雰囲気と違い(それはそれでリラックスしていいのですが)、ジャズの代名詞的なタイトル曲(1)といい、ジャケットデザインといい緊張感、重厚感が違います。

 

4曲目「Bye Bye Blackbird」は、個人的にマイルスの数ある名演の中でも特に好きな一曲。「卵の殻の上を歩く」と評されたミュートトランペットの静謐な音色と少ない音数による演奏は、マイルスの美学が貫かれた独特の世界観です。

  

曲自体は1920年代に書かれた古い曲で、自分を取り巻く不幸=「Blackbird」に別れを告げて愛しい人の所へ帰っていくという内容ですが、様々な解釈があるようです。

 

またこのBlackbirdは前年の1955年に亡くなったチャーリー・パーカーを指し、マイルスはパーカーへの鎮魂としてこの曲を演奏したのではという解釈もあるとか(実際パーカーのあだ名はBird)。

 

AA’BA形式で32小節、ミディアムテンポの典型的な4ビートジャズです。コード進行が穏やかで起伏が少なく、こういう曲はかえってアドリブがしにくく感じるかもです。

 

マイルスの歌うようなアドリブ演奏を参考にしましょう。次回、演奏の分析をします。