名演から学ぶ、ジャズアドリブ研究

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"I'll Close My Eyes" by Blue Mitchell

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今回はトランペット奏者ブルー・ミッチェルによるスタンダード「I'll Close My Eyes」の名演を取り上げます。

 

 数あるジャズスタンダードの中でも、特にこの曲ほど「あぁ、あの人の演奏で有名なヤツね」って感じで定着しているものは少ないでしょうね。

 

同じようにミッチェルというと「あぁ、あの曲の演奏で有名な人ね」という風にも定着しています。

 

それぐらい「I'll Close My Eyes」とBlue Mitchell はセットで語られるわけですが、それだけにどこか「一発屋」扱いされているのが気になるところではあります(T_T)

 

この演奏が収められたRiverside盤の「Blue's moods」(1960)は、(サックスと比べると数の少ない)トランペットによるワンホーンカルテットの名盤。

 

          

 

 ラフな格好で煙草をくゆらせるジャケ写通りの、小難しさのないリラックスした一枚です。ジャズの入門盤にももってこいでしょう。

 

ではミッチェルの演奏を分析してみます。

 

 

 

 

 

 まずはこの部分。(0:13~0:15)

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曲のキーはFメジャーで、ここはⅣメジャーのB♭maj7に向かうセカンダリードミナントのF7をⅡ→Ⅴに分割した形ですね。

 

Cm7で5度の音に当たるGからF7に入った最初の1音目に、F7の短7度に当たるE♭へと半音で下降しています。いわゆるクロマチックラインというやつです。

 

多少スケールを無視して強引に半音移動しても、1拍目の音にそのコードの響きを決めるガイドトーン(コードの3度と7度の音)やルート音を配置することで、コードの移り替わりを感じさせることができます。

 

こういったアプローチはこの演奏の随所に見られますね。

 

続いてはこちら。(0:22~0:24)

 

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これもDm7のルート音Dから、次のGm7のガイドトーンである短3度のB♭まで半音下降しています。

 

この曲のようなミディアムテンポ以上の早い曲において、こういった2拍ずつの短いコードに対しては効果的な手法と言えるでしょう。

 

次にこの部分。(0:44~046)

 

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2コーラス目最初のトニックコードですが、Ⅰ,2拍目はA、C、E、Gというトニックの代理和音であるAm7の分散和音、3,4拍目はE、F、A、CとFmaj7を7度から並べた形ですね。

 

対して同じコードが続く次の小節では、Fメジャースケールをほぼなぞる形です。

 

上りは垂直的なコード分解、下りは水平的なスケール演奏という対比が印象的です。

 

最後はこちら。(0:28~0:30)

 

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Ⅵ度マイナーのDm7へ向かうセカンダリードミナントのA7上で、D音からのクロマチックラインを絡めたフレーズ。

 

これはこちらのフレーズと共通しています。(1:22~1:24)

 

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2小節目からのフレーズと同じですね。

 

この2つはコード進行は違いますが、まったく別のキーに転調しているわけではありません。

 

ミッチェルは大きくFメジャーの枠で捉えて演奏しているようです。

 

 

いかがでしたでしょうか。全体に八分音符主体で、早いパッセージや複雑な連符もないのでコピーしやすい演奏だと思います。

 

またここでは解説しませんでしたが、この後に続くウィントン・ケリーのピアノもゴキゲンな演奏を聞かせてくれます。是非聞いてみてください。

 

 

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