ジャズブルースの定番でセッションでもよく演奏されます。動画には最初のテーマメロディがありませんが、パーカーの曲はテーマから既にフレーズネタの宝庫ですので、ぜひ分析してみましょう。
アルトサックスなのでE♭譜ではkey=Dになります。実音(コンサートキー)ではkey=Fですね。まず最初の1~3小節を抜き出してみます(0:05~0:10)。
パーカーは1~2小節目のフレーズを、この曲と並んで有名なブルース「Now’s The Time」のソロ冒頭でも全く同じように吹いています。彼の手癖か、あらかじめ作っておいたのでしょう。
2小節目G7の3~4拍目はF#、D、B、Aという、DM7のトニック代理にあたるⅥ度Bm7のコード分解になっています。ここまではDM7的音使いでブルース色は希薄です。
しかし3小節目で短3度Fと短7度CというDメジャーにとってのブルーノートを吹いてブルースらしさを演出しているのがミソですね。
次に9~10小節目のⅡⅤにおけるフレーズを見てみると(0:17~0:22)
Em7のコードトーンを駆け上がり、B、B♭、そして次のA7の1拍目のAと半音で下がっていきます。
またA7のフレーズは最初の2小節目のG7で吹いているのと全く同じな点に注目。
次に32小節のⅡⅤを見てみましょう(0:51~0:53)
1拍目のフレーズはF#フリジアン的な節回し、2拍目のD#から3拍目裏のC♮までは短3度音程が連続するD#ディミニッシュスケールですね。マイナーコードに向かうドミナント7thコード上で多用されます。
最後に45~46小節のⅡⅤフレーズです(1:12~1:14)
3拍目にD#というEm7にとっての長7度が入っているため、Eメロディックマイナーを吹いているようです。
Ⅱm7ではドリアンスケールを使用するのが一般的といわれていますが、ジャズではm7上でメロディックマイナーを使用する例が多くみられます。これもジャズらしい演奏をするポイントですね。
ブルースのコード進行やスケールについてはこちらも参照してみてください