"Summertime" コードとスケール分析



この「サマータイム」は1935年、ほぼ黒人役者のみによって上演された画期的なミュージカル「ポーギーとベス」の挿入歌であり、後にジャズという枠を超えて多くの音楽家による名唱・名演を生んだ、まさにスタンダードというにふさわしい曲です。

作曲者ジョージ・ガーシュウィンは1937年に亡くなったのでかなり晩年の作品ですね。「バット・ノット・フォー・ミー」や循環進行という形式のコード進行を用いた「アイ・ガット・リズム」(循環進行を英語で「リズム・チェンジ」と呼ぶのはこの曲名から来ています)等、今もセッションで頻繁に演奏される曲を多く書き残した偉大な作曲家です。

この曲はコード進行が平易なので、その分独自のリハーモナイズを施した演奏例も多いです。まぁジャズではよくあることですが、この曲は特に定番のコード進行というのがあまりないようで、市販のスコアを見ても結構バラバラです。

今回は手元にある、現在日本で売られているスタンダード集の中では最も有名であろう「スタンダード・ジャズ・ハンドブック」(伊藤伸吾編)、いわゆる「青本」にある譜面を参考にさせて頂くとします。

16小節1コーラスでFmキーです。最初の1~4小節は

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トニックマイナーが4小節続きます。これだと動きが無さ過ぎるので

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ⅡⅤ進行を間に挟むこともあります。青本にはFm→FmM7→Fm7→Fm6とルート音から6度まで半音進行するクリシェになっています。これもこの曲の楽想にとてもあう進行だと思います。

続いて5~8小節は

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最初のB♭mとD♭MはFmキーのサブドミナントマイナーにあたるコードですが、この2小節だけB♭mキーに転調していると考える事もできます。Fmキーと考えれば

B♭m・・・B♭ドリアン

D♭M・・・D♭リディアン

B♭mキーと考えれば

B♭m・・・B♭マイナースケール

D♭M・・・D♭アイオニアン

というふうにスケール選択の幅が増えます。

最後の13~16小節はA♭M7というFmの並行調であるA♭Mに移り、ここで一瞬だけ安堵感を感じさせる展開ですね。その後また  GΦ7 C7| Fm | というマイナーの進行で一つのコーラスを終えます。

この曲は転調がなく、ほとんどがマイナーのダイアトニックコードのみで構成されている点で「枯葉」と良く似ています。テーマメロディや曲の構成も複雑なものではないので、是非レパートリーに加えてみて下さい。

この曲のアドリブフレーズはこちらを参考にしてみて下さい。

http://loopin.hatenablog.com/entry/2016/07/01/120827

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